「動物の死体に、どんな生きものが集まってくるのか」を調べた研究に、ビーバーのことが載っていました。
(論文の詳しい情報は、記事の最後にまとめています。)
この研究は、小さな動物の死体が生きものの多様性にとって大事だった、ということを明らかにしたものです。
貴重な研究だと思ったので、今回はビーバーの部分だけ簡単に紹介します。
目次
何を調べたのか
この研究では、10種類の哺乳類の死体を森に置いて、集まってくる生きものを調べています。
死体に集まる生きものの種類は、大きな動物よりも小型〜中型の動物のほうが多くなる傾向がありました。
そして、ビーバーの死体は、特に甲虫の仲間にとって人気だったそうです。
なぜビーバーの死体に甲虫が集まるのか
論文では、ビーバーの体が他の動物とくらべて、次のような特徴を持っているからではないかと考えられています。
- 肉、体脂肪、かたい皮ふ(ケラチン質の組織)の割合が高い
- 肉にはタンパク質やミネラル、体にいい脂が豊富に含まれている
- しっぽの外側はかたい皮ふで覆われ、内側は脂肪と軟骨でできている
そして、脂肪やケラチンを食べるのが得意な甲虫もいます。
今回の研究では、次の2つの仲間がビーバーの死体に多く集まっていました。
- カツオブシムシの仲間
- カッコウムシの仲間
ビーバーのしっぽは、甲虫たちにとって特別なごちそうなのかもしれません。
論文の情報
Horlebein, S. et al. (2026)
“Multi-host and multi-taxon experiment reveals the overlooked importance of small-sized carrion for biodiversity”
Basic and Applied Ecology, Volume 94, pp. 49-60.
https://doi.org/10.1016/j.baae.2026.06.002
おまけ:ビーバーノミという甲虫
甲虫つながりで、もうひとつ。
ここからは、今回の研究とは別の話です。
ビーバーの体からは、Platypsylus castorisという、体長2〜3mmほどの小さな甲虫も見つかるようです。
ノミではありませんが、見た目がノミに似ているため「ビーバーノミ(beaver flea)」とも呼ばれています。
ヨーロッパビーバーとアメリカビーバーの両方で見られ、ヨーロッパビーバーの死骸から見つかった観察記録もあります。
ただ、死体に集まってきたのか、もともと毛の中にいたのかは、まだよくわかっていないようです。
ほとんど研究されていない、ふしぎな甲虫のようです。
ビーバーノミについてはこちらを参考にしました。
※リンク先には、ビーバーノミの写真が掲載されています。虫の写真が苦手な方はご注意ください。
https://atputa.lvm.lv/en/news/2647-beaver-flea-that-is-not-a-flea


