目次
ビーバーの意外な親戚は「ウロコ」を持つ動物だった
5400万年前に分かれた「ウロコリス」
ビーバーは、顎の筋肉(咬筋)の付き方がリスと共通していたため、長い間「リス形亜目」の一種だと考えられてきました。
ところが、最新の遺伝子解析によって、実はリスよりもネズミに近い仲間であることが判明しました。
新たな研究(Fabre et al. 2010)によると、細胞のエネルギーを作る場所である「ミトコンドリアDNA」を解析した結果、ビーバーの最も近い親戚は「ウロコリス」という動物であることが分かったのです。この2種は、約5400万年前に共通の祖先から枝分かれしたといわれています。
また、ビーバーのミトコンドリアDNAは他のげっ歯類より変化のスピードが遅く、その理由はビーバーの体の大きさや寿命の長さと関係している可能性が指摘されています。
ウロコリスってどんな動物?
アフリカに住む“しっぽがウロコの”滑空げっ歯類
ウロコリスはアフリカに住む滑空性のげっ歯類で、ムササビのような姿をしています。
ウロコリスは齧歯目ウロコリス科(Anomaluridae)に分類され、しっぽの骨から本物のウロコが突き出ているのが大きな特徴です。
伝統的に「リス」と名付けられていますが、これは形態的な類似から来ており、系統的にはトビウサギ科(Pedetidae)などと近縁のウロコリス形亜目に位置します。
アメリカビーバーとヨーロッパビーバーは700万年以上前に分岐
アメリカビーバー(Castor canadensis)とヨーロッパビーバー(Castor fiber)は、見た目は似ているものの、DNAの解析では700万年以上前に共通祖先から分岐したと考えられています。
さらに、ヨーロッパビーバーの現生集団の共通祖先は約21万年前と推定され、これまでの想定より古い可能性が示されています。
出典
Fabre PH 他(2010年)『Molecular Phylogeny and Morphological Evolution of the Rodentia』
著者・発表年:Fabre et al./2010年
URL:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0014622
閲覧日:2025/12/11